「音楽の時間」vol.1、始動。

春になり、新しい環境での生活が始まる季節ですね。

TOHOKU Roots Projectでは東北ルーツ音楽室presents「音楽の時間」vol.1が本格始動。

構成演出を担当する大原研二、そして広瀬咲楽さんが参加しての作戦会議が行われました。

 まず初めに、この企画について少し詳しく書こうと思います。この投稿を書いているのは坂野です。多分に私の視点も入りますことをご了承ください。

 2011年3月11日直後、演劇や映像を主体として仕事としていた私(たち)は、自分たちの仕事とする物の無力さにぶちのめされました。少なくとも、私はそうでした。極限状況の中にいる人間が演劇を見ようとは思えません。受け入れることも出来ません。しかし、音楽は違いました。ひとは自分を鼓舞する為に歌を口ずさみ、誰かを笑顔にするために一緒に歌い、ラジオから流れてくる懐かしい歌に皆が聞き入りました。演劇とは違う「音楽」の力と身軽さを目の当たりにし、嫉妬すらし、同時に音楽は祈りでもあるのだと知りました。

「演劇」という物は、TVやラジオと違い、公演を現地に持っていくことが出来なければ観てもらうことは出来ません。そして生身の人間が目の前で演じる物は、見る側にもパワーがいります。元気じゃないと見ようと思えないのです。演劇公演を故郷に届ける。こんなシンプルなことがいかに難しいことかを実感し、またあの震災でぼろぼろになった故郷とそこで生活する人の心に演劇を観る余裕が生まれるまでに相当の時間を要することを思い知らされました。   

 昨年の春、ようやく音楽劇「想稿・銀河鉄道の夜」という演劇公演を故郷に届けることが出来ました。「音楽劇」を選択したのは、そのままではしんどい題材に音楽の持つ力を借りたかったから。その公演で音楽の持つ力を実感したこと、その公演に出演してくれた俳優たちには音楽に長けた人が何人かいたことから、よりミニマムな形で演劇の手法を用いて、音楽のプログラムがも創れないだろうかとも考えるようになりました。そんな話をしていた中で、「想稿・銀河鉄道の夜」出演者で昨年秋に上京してきてシンガーソングライターとして音楽活動も本格的に始めた仙台出身の広瀬咲楽さんと銀河鉄道の音楽を全て担当していただいたJAZZピアニストの立石一海さんが「やりたい」と言ってくれたこと、二人の創る音楽を東北に届けたいという思いから、この方法を模索し、力を持つ音楽を東北に届けることを目的として東北ルーツ音楽室presents「音楽の時間」というこの企画は生まれました。

東北ルーツの関係者からは「末っ子」と呼ばれて可愛がられている広瀬咲楽さんですが、彼女の歌い紡ぐ音楽には故郷の景色が見えるのです。あの日の想いや沢山の気持ちが見えるのです。楽しかったこと、つらかったこと、日々の儚さ、大切な場所、大切な思い出、つよさとよわさ。立石一海さんの作る音楽には、立石さんの優しさが滲み出ています。

TOHOKU Roots Projectとは別に坂野と立石さんでピアノと声を主体としたRITROVOという企画ユニットも組んでおり、そちらにも広瀬さんには出てもらっていますが、「TOHOKU Roots Project」としてこの「音楽の時間」の企画をやることの意味を大切にしたいと思います。

構成演出は「音楽の時間」企画が持ち上がった時に「東北ルーツでしか出来ないことやろうぜ、俺やるわ」と名乗りを上げた大原研二が担当します。

ふたりが紡ぐ音楽を東北の空に響かせる。

まだまだ模索中ですが、ここでしか出来ないことをやろうと思います。


長文失礼しました。

さて、では先日の作戦会議を。

広瀬咲楽さんの音楽を聴き、意見やアイディアを出し合いながら全体の構成を考えました。いかんせん東北人3人。とあるキーワードに関して、私たち的には〇〇だけど、これって東北の人以外はどうなの?という疑問が。タイミングよく来ていただいた広瀬さんのマネージャーさんに全員挨拶もそこそこに「〇〇〇」ってわかります?と質問をぶつけてみたり。別の視点が入ることもとても大切なのです。

宣伝美術会議もがんがんと。作戦会議でのチラシのデザインイメージ(キーワードのみ)を決め、デザイナー様(岩手組)に色々話をして、広瀬ちゃんの音楽も聴いてもらいつつせいやっ!と丸投げて来ました。どんなデザインになるのか楽しみです!立石一海さんとも電話会議。まだ言えませんが、楽しみすぎる展開が生まれそうです。


さあ、「音楽の時間」が始まります。

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